依頼背景
定期検査により規定水圧が保持されず、消火配管より漏水していることが判明しご依頼いただきました。
このような消火配管の漏水の場合には、非常時に規定量の水が出ない可能性があるので、早急な修繕復旧が第一条件として求められます。
現地調査
この工場の消火配管は、露出配管部と埋設配管部があり、特に埋設部においては、広大な範囲で土やアスファルトの下に配管が埋まっている状況でした。
目視では、露出配管部からは漏水は見受けられず、埋設部に漏水があると断定しました。
基本的に埋設部分の漏水部分を見つけることは難しく、今回のような広大な埋設配管であれば、尚更 漏水部の断定は出来ません。
しかし、埋設部分を目視により確認していたところ、土壌が濡れて色が変わっている箇所があり、
お客様に確認後、掘削の許可が出たので掘削してみたところ、運良く漏水箇所を発見することが出来ました。
※掘削しても埋設の漏水箇所を断定出来ないことがあるため、何カ所も掘削する場合には、費用がかさむ懸念があります。
原因
配管に穴が空いたことによる漏水です。
原因の考察
埋設部に使われるVF管や防蝕テープ巻き等の絶縁処理をしておらず、配管が土壌に直に晒されていたため、老朽を早めたり、電触等が起こりうる状態でした。
作業内容
漏水箇所に鉄管を絆創膏のように貼り、現地アーク溶接にて対応。
①漏水部
②鉄管をかぶせ溶接
③サビ止め材塗布
④防蝕テープを巻き埋め戻します
溶接ができない場合は、ストラブカップリングを漏水部にかぶせて締め込む対応もしますが、上記のような何十年も経過している配管は、写真をみても分かるとおり、表面が凸凹しておりストラブカップリングの効果を十分に発揮できない場合もあります。
そのため、弊社ではできる限り溶接により修繕を行っております。
まとめ
新設時に、施工業者がVS管や防蝕テープ巻き等を使用していればもう少し耐久性が見込めたと思いますが、かなり昔の配管の為、VS管が無かったのかもしれません。
鉄管による埋設配管には、懸念事項や問題も多く、今回のように1箇所を修理したとしても、別箇所で同様の漏水が起こることが多くあります。
地中に埋まっているため漏水していても気が付かず、半年や1年に1度の定期検査で発覚することも多いので、もし、漏水に気がつかないまま火事になってしまった場合には規定量の水がでない場合もあります。
今回のように埋設部の漏水箇所が特定できた場合には溶接で対応ができますが、通常は埋設部の漏水箇所の特定が困難なため、埋設部をなくし、露出配管にて繋ぎ替えたり、埋設配管に特化したエスロハイパーという商品を使います。
エスロハイパーの施工には講習や機械が必要ですが、弊社はどちらも保有しておりますので、是非ご相談ください。